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■ 北丹沢12時間山岳耐久レース(神奈川県・丹沢山塊)

森と緑の深い丹沢山塊北部。 7月上旬、このフィールドで毎年行われる、知る人ぞ知る山岳レースがあります。

「北丹沢12時間山岳耐久レース」

今年で開催は8回目。年々エントリーする選手は増えており、昨年は892名、今年は1175名と、 その規模は長谷川恒男カップ(日本山岳耐久レース)に次ぐ大会です。 コース全長43.86km、制限時間12時間以内、標高差1140mにおよび、 コース途中にある3つの関門の通過には、それぞれ制限時間が設けられています。 アスファルトの路面での長距離ランと、最高地点のピーク・「姫次」への急登が核心ポイントで、 ペース配分などの戦略をうまく練らないと完走が難しく、長谷川恒男カップよりもある意味では過酷と言われています。


先週のTEVAサーキットにつづき、今回もさかいやは現地出張販売を行ってきました。 大会2日前の6月30日夜に都内を出発。 自動車で約2時間、深夜1:00に大会スタート地点・津久井町青根にある「緑の休暇村」に到着しました。 我々スタッフは車の中で眠り、翌朝からお店の設営準備を開始。 今回はさかいやロゴマークの入ったオリジナルの販売用テントを新たに用意しました。 いざ建ててみるとこれ、なかなか目立ちます。 これでお客さんにお店の存在をアピールできるハズ!

北丹沢12時間山岳耐久レースは、イベント企画会社のほかに、関東近郊の山岳会の方々や、 地元の大勢のボランティアの方たちの協力のもとで運営されています。 会場の設営作業や受付の準備、パンフレットの仕分け・袋詰めなど、大会前日にやるべきことは多く、 わたしたちスタッフも、微力ながらパンフレットの袋詰めを手伝わせていただきました。 レース参加者全員に配布するパンフレットの袋詰めは約1300セット。これを仕分けて袋に詰めてゆく作業は 地味に大変。レースイベント開催の裏では、多くの人たちのそれぞれ一人ひとりの努力があって、 あらためて人間の力のすばらしさを実感した次第です。

ここ「緑の休暇村」は谷あいの森深い場所にあり、道志川の清流が流れる美しい場所です。 多くのバンガローや広いテントサイトをもつキャンプ場があり、車でのアクセスが可能なので、 土日には多くのオートキャンパーが訪れます。 川辺で水と戯れたり、マス釣りをしたり、またテントサイトでのんびりしたりと、 自然を満喫するにはうってつけのロケーションだと思います。 わたしたちの宿泊も、今回はテント泊。こういう場所では通気性がよくて大きめのテントがよいのですが、 私の持っているテントは山岳用の軽量テント。少々暑いですが、久々のテント泊でウキウキしました。


大会当日。朝4時に起き、開店準備をします。 まだ夜も明けやらぬ時間帯、運営スタッフたちもすでに慌しく準備を始めていました。 まもなく空が白みはじめ、太陽の光が差し込んできました。 昨日までの愚図ついた天気から一転、今日は天気がよさそうです。 そのうち、レース参加者たちがばらばらと会場入りしてきました。 それに伴い、早速お店にもお客さんがいらっしゃいました。

会場にはみるみる人が増え、たちまちのうちに賑やかなムードになってゆきました。 そしてあっというまに出走時間の7時が近づいてきました。 スタートラインに続々と人が集まってきます。1000人以上の人がスタート付近の道全体を埋め尽くします。 開会式での挨拶があり、その流れでレースはスタートします。 砲が撃たれると同時に、いよいよスタート!

続々と走り始める選手たちですが、何せこの人数です。 先頭集団はハイペースで走り始めますが、後続の集団は人に揉まれてなかなか前へ進むことができません。 それでも徐々に皆走り始め、数分のうちに選手全員が視界から消えてゆきました。 一気に人がいなくなり、会場は先ほどまでの喧騒が嘘のようにガランとしてしまいました。 この後しばらくはゆったりとした時間が流れます。

昨年の1位完走者の記録は4時間11分。 おそらく今年も11時過ぎ頃には1位がゴールインすることが予想されます。 気がつけば空は厚い雲に覆われ、体に感じる空気の湿度が高く生暖かくなってきています。 天気が心配です。

10時頃、第一関門・神之川ヒュッテでリタイヤする選手を緑の休暇村へ搬送するための貸切バスが運行されるとのことを 聞きつけ、バスの運転手の方にお願いして私も乗せていただけることになりました。 さらに緑深い道志渓谷に沿って遡ること約20分。バスから降りると、すぐ目の前に第一関門前の給水所がありました。 ここでは水のほかにバナナも配給しています。 次々と選手たちがたどり着き、水の補給はもちろんのこと、行動食を摂りながら休んだりする人や、すぐに走り始める人などでごった返しています。

しばらくして、突然豪雨が降り始めました。 梅雨時の今でも、ここしばらく東京ではなかったほどの大雨で、 最初は夕立だからすぐ降り止むだろうと高をくくっていましたが、 なかなか降り止む気配はありませんでした。

あまりに強い降りだったため、たまらずに雨宿りをします。 この頃、第一関門制限時間である11時半がすぎました。 以降にたどり着いた選手たちは、強制的にレースからリタイヤせざるをえません。 気温は急激に低下し、雨の中全身ずぶぬれになりながら走ってきた選手たちは、 ボランティアスタッフが燃した薪の焚き火で、暖をとっていました。






天候回復の兆しが見えてこないため、昼すぎにまたバスで、今度はリタイヤした選手たちとともに、緑の休暇村へ戻りました。するとなんと天候が回復し、陽光が差し込んできました。 一番タイミングが悪いときに第一関門へ赴いてしまったな〜と少し悔しい気分でした。 この頃には上位の選手たちがすでにゴールしはじめておりました。 ものすごい脚力ですね。相当なスピードで山々を駆け抜けてきたはずなのに、結構余裕の表情(?)でゴールインする選手が多いような気がしました。 しかし勿論ハンパじゃなく疲れているはずだと思います。

陽光が降り注ぎ、気温も急激に高くなってきました。 ゴールした選手たちが増えるにつれ、再び賑やかな雰囲気になってきました。 お店も時折賑わいを見せています。 この間に、上位選手たちの表彰式が順番に行われていきました。

午後7時がタイムリミットですが、最後の1時間でゴールした選手は3人。 最終ゴールを決めた選手は大勢の人から拍手で迎えられ、感動のフィニッシュでした。 レースがすべて終わると、わたしたちスタッフも速やかにお店を撤収。 日暮れとともに大会は無事閉幕したのでした。

スタッフの方から参加者たちまで、大勢の人の協力のもとで作りあげられる 北丹沢12時間山岳耐久レース。 みんながこの大会を楽しみ、そして来年以降はさらに盛り上げていきたいという強い思いをもっています。 山岳レースというすばらしい競技を、より多くの人に知ってもらい、参加者が一層増えていってくれたら いいなぁ〜と、わたしたち自身も願うところです。

【北丹沢12時間山岳耐久レース】
コース全長:43.86km
制限時間:12時間
標高差:1140m

エントリー数:1320名
出走者数:1175名
完走者数:776名
完走率:66%
写真・文/松田直樹
Sakaiya Sports Inc.

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