合言葉は『ゆるライト』!さかいやスポーツがオススメする軽量化について

近年、店頭でお客様から装備の軽量化についてご相談をいただくことが多くなりました
同じルートを歩くのに、私のザックだけずっしり…
重くて背負いあげるのに毎回「よっこいしょ」と言ってしまう
足が重くて木段登りがしんどい…
もっと靴が軽ければ楽に足が上がるのに!
このような悩みは多くの方が抱いているのではないでしょうか
以前は「安全に登山をするにはそれが当たり前」という考え方もありましたし、周りの登山者も同じような装備で歩いているので、それに疑問を持つこともあまりなかったかもしれません
しかし、最近は最小限の装備で山を走るトレイルランニングや、より長い距離を歩くために可能な限り無駄を削ぎ落したUL(ウルトラライト)ハイクなど、同じ登山道でも異なるスタイルの人と出会うようになりました
そこで改めて自分の装備を見て
「私の装備、重すぎ(大きすぎ)かも…、もっと軽く(小さく)したい!」
と思うのは当然の心理でしょう
登山用品専門店のさかいやスポーツでは、そのような「軽く(小さく)したい」というご希望に沿えるよう、ザックやシューズ、ウェアなどの各ジャンルで「軽量モデル」や「超軽量モデル」を取り揃えております
では、それらの軽量ザック、軽量シューズなどを片っ端から揃えれば幸せになれるかといえば勿論そうではありません

わかりやすい例がザック(バックパック)です
ザックを軽くするためには、容量を小さくするか、生地を薄くするか、フレームを省く必要があります
それらを突き詰めたザックは、今までと同じ荷物が入らなくなるか、入ったとしても背負い心地が悪くなります
「山頂で美味しい料理を作って食べることを楽しみにしているのに、ザックが小さくなったせいで調理器具や食材が入らなくなった」
「美しい風景を撮影するために山に登っているのに、ザックがふにゃふにゃで中のカメラ機材が守れなくなった」
などなど…
軽量化が仇になって本来の登山の目的や楽しみが損なわれてしまっては意味がありません

シューズの例も挙げてみましょう
登山靴は重くて登りがつらい!という方が、一番軽いから、という理由で短距離用トレランシューズを選んだとします
確かに足がスイスイ上がるので登りは楽になりますが、下りはどうでしょうか
足首のサポートがなくソールのやわらかいトレランシューズは、慣れないとバランスを取ったり踏ん張ったりするのに余分に筋力を使いますし、ソールが薄い短距離用シューズは着地の衝撃が大きく、膝や足首の関節にも負担がかかります
「登りを楽にする」という目的は達成できるかもしれませんが、下山後の足へのダメージが登山靴よりも大きくなったとしたら、期待外れの結果でしょう
当然、このような「幸せな結果にならない軽量化」は誰も望みません
さかいやスポーツが推奨するのは「目標重量実現のために突き詰める軽量化」ではなく「登山をより楽しむための、無理のない軽量化」です
1.自分の装備を見つめなおし、
2.譲れるポイントと譲れないポイントをしっかり分け、
3.譲れるポイントは思い切って削り、
4.一人ひとりが自分なりの軽量装備を完成させる
このような「突き詰めない軽量化」というスタイルに
私たちは「ゆるライト=YL」という合言葉を設けました
ハイキングやトレッキングにおける軽量化の偉大な先達である「UL=ウルトラライト」へのオマージュを込めつつ、「気軽に、気負わずに軽量化を」という思いを「ゆる」という言葉で表しました(「てきとう」や「いいかげん」という意味合いの「ゆる」ではありません)
また「YL」のYには「Your」という言葉がかかっており、
「あなたの山行スタイルに合った軽量装備」という意味合いも含めています
これまでに書いてきた通り、決して「軽量=正解」ではありません
軽さを追求したアイテムには「ラフに扱い難い」というデメリットが伴いますし、
重くてもしっかりと作られたアイテムには「優れた耐久性」というメリットがあります
さかいやスポーツでは、数多くのアイテムを手に取り、その特徴を見定めてきた目利きスタッフがお客様お一人おひとりのスタイルに合った軽量化をお手伝いいたします
装備の重さにお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください

このブログでは、引き続きさかいやスタッフがそれぞれの目線で自分なりの軽量化術やオススメアイテムを紹介していきますのでぜひチェックしてください
合言葉は #ゆるライト !
PROFILE

通販 樋口 | Higuchi
所属は通販部ですが、お客様の生の声を聞きたくてちょくちょく売場にも立っています。無雪期はトレイルランニングと軽装備の登山、冬はゲレンデでテレマークスキーの修行中です(なかなか上達しません)。山と同じくらい温泉が好きで、山行計画はほぼ下山後の温泉を基準に立てています。