『ゆるライト』さかいやスポーツオススメ軽量化術其の二「具体的なダイエット実例~得るものと失うもの~」

さかいやスポーツがオススメする『数値だけを突き詰めない軽量化=ゆるライト』
前回は「失敗しにくい軽量化の進め方」について書きました(未読の方はぜひご一読ください)
その中で軽量化は「なくす」「減らす」「換える」のいずれかで実現すると述べましたが、今回は3種類それぞれのやり方でどれくらいのダイエット効果が出るのか具体例を見ていきます
ただ、体重を減らすダイエットにある程度「節制」や「我慢」が必要なように、装備のダイエットにも「引き換えにするもの」があります
効果の後にそのダイエットで「失うもの」や「デメリット」の例を挙げていきますので、自分にとって「やりたい軽量化」なのか「やりたくない軽量化」なのかを見極めるヒントになれば幸いです
「なくす」
Ex1.サンダル
さかいやスポーツでは、テバ、ルナサンダル、ホカ(オラリカバリーシリーズ)など、人気ブランドのサンダルを販売していますが、重量をチェックしてみると薄底の軽量モデルで片足130gくらい、保護性・快適性に優れたモデルは片足280gくらいあります
これらをザックから出すと、単純計算で250mlの缶飲料~500mlのペットボトル飲料くらいの軽量化ができることになります
またクッション性の高いリカバリーサンダルなどは、かさばってザックのスペースを占めるため、置いていくことで荷物のコンパクト化にもつながります
失うものはズバリ「サンダルならではの開放感」ということになります
気温が高い時期や、お風呂上がりなど下山後のお楽しみタイムが充実しているときは、持っていくメリットが大きいですね
Ex2.ウィンドブレーカー

雑誌の軽量化特集などでは必ずといっていいほど挙がるのがウィンドブレーカーです
必携品であるレインウェアを着れば風除けになるからウィンドブレーカーはなくてもどうにかなる、というわけです
ザ・ノース・フェイスの定番モデル「コンパクトジャケット」は約300g、「スワローテイルフーディ」は約150g
モンベルの定番モデル「O.D.ジャケット」は約260g、「ウィンドブラストパーカ」は約180g
地味ですが着実に軽量化につながります
反対に失うものは「ちょうどよさ」や「心地よさ」です
素材やデザインの進化で、一昔前に比べるとレインウェアはより蒸れにくく着心地もよくなっていますが、ウィンドブレーカーと同等になっているとは言えません(ウィンドブレーカーも進化しています)
身体的なコンディションを「ちょうどいい、快適な状態に保つこと」にこだわるならウィンドブレーカーはやはり有効なアイテムです
「減らす」
Ex1.ガスカートリッジ

湯沸かしや炊事に使う火器のガスカートリッジは明快な軽量化の例として挙げられます
イワタニプリムスのガスカートリッジ(寒冷期対応)を例に見てみると
IP-500T(定価1166円税込)が缶重量約210gでNET460g(新品総重量約670g)
IP-250T(定価781円税込)が缶重量約150gでNET225g(新品総重量約375g)
IP-110(定価561円税込)が缶重量約90gでNET100g(新品総重量約190g)
となります(価格は2025年12月現在)
調理が短時間、沸かす湯の量が少ないなら、持っていくカートリッジは小さい方が重量的にもサイズ(体積)的にもダイエットに有効です
一方で1g当たりの値段を計算すると
IP-500Tが2.53円、IP-250Tが3.47円、IP-110が5.61円で
大きいカートリッジの方が割安になります
高頻度で山に行き、たくさん調理をする人の場合、小さいカートリッジはコストパフォーマンスが悪いことになります
Ex2.着替え
人それぞれの体質やこだわりなどがあるので個人差がありますが、「減らそうと思えば減らせる」「改めて見直すと持っていきすぎ」というのが当てはまるジャンルです
・防寒着としてフリースとダウンを両方持って行っている場合はダウンだけにする
・抗菌・防臭効果の高いメリノウール素材を取り入れることで肌着の枚数を減らす
・山小屋滞在時専用のリラックスウェアを最小限にしたり、できるだけ薄手のものにする
など、減らし方はいろいろあります
半袖Tシャツ1枚で約150g、フリースジャケットは厚みによって差はありますが250~300gくらいの軽量化になります
当然のことながら、失うものは「快適性」ということになります
着る時間が限定的、着ない可能性が高い、と判断できるウェアは思い切って削り、
持っていかないと不快指数が跳ね上がるようなウェアは残しましょう
「換える」
Ex1.食料(行動食)
シャリバテにならないために必要な行動食ですが、同じカロリーを得るために何グラム必要かは食品によって異なります
平均的なサイズのおにぎり(塩むすび)が120gで204kcal(1.7kcal/1g)
トレイルランナーにはおなじみのエナジージェル(例Mag-on)が1袋(41g)で120kcal(2.92kcal/1g)
ペットボトルに移して食べる人も多い、人気の行動食柿の種(ピーナツ入)が1袋(30g)で136kcal(4.53kcal/1g)
登山にはカロリー以外にミネラルなど他の栄養素も必要ですし、GI値も異なるためカロリー量で優劣が決まるわけではありませんが、改めて普段食べている食品のパッケージを見直すといろいろ発見があります
エナジージェルなどは、効率が良い反面「ベタついて食べにくい」「味が悪くて食べる気がしない」といった理由で嫌われる面もありますが、さらっとして飲みやすいタイプやより多くの人に好まれる味のものなど、たくさんの種類が選べるようになりました
炭水化物以外の成分もいろいろ入っています
重量だけでなく「かさばらない」という点でも装備のダイエットには重宝する存在です
ただし、食べることには娯楽的な側面もあり、ガソリンのようにただ定期的に補給するというのは抵抗を感じる方も多いでしょう
誰だって嫌いな物よりは好きな物、おいしくない物よりはおいしい物を食べたいはずです
また、まじめに考えると補給食は「疲れたときでも食べられる」ものが理想的です
「軽いからという理由で持ってきたが口に合わなくて食べず、結果シャリバテ」という失敗は避けたいものです
コースタイムよりも速く歩きたいのか、山中でより充実した時間を過ごしたいのか、
自分の求めるスタイルの山行を実現するために最適な行動食を見つけましょう
Ex2.レインウェア・トレッキングシューズ
より軽量なモデルを選択することで軽量化を実現できます
買い替え、買い足しの際にはぜひ専門店のスタッフにご相談ください
モンベルのレインウェアで例を挙げると
エントリースタンダードモデルのサンダーパスジャケットが325g、サンダーパスパンツが242g、合計567g
ハイエンド軽量モデルのテンペストジャケットが247g、GORE-TEXレインパンツが178g、合計425g
となり、142g軽量化できます
ザンバランのトレッキングシューズで例を挙げると
縦走モデルのバルトロライトGTが約625g(片足)
軽量モデルのサラテトレックGT が約480g(片足)
両足で290g軽量化できます
ただし、薄い生地のレインウェアは耐摩耗性で不安が残りますし、軽量シューズは剛性・安定性が落ちます
重たいザックを背負って藪漕ぎをする方は生地の厚いレインウェア、
バランスを崩しやすい大型ザックを背負って縦走する方はしっかりしたトレッキングシューズがマッチします
山行スタイルに合わないアイテムを選ぶと残念な結果になりますのでご注意ください

登山用品専門店はただ商品を売るのではなく、山を愛する方がより楽しく安全に山に登るお手伝いをすることも重要な使命です
とはいえ商品を販売しないと小売店としてやっていけませんので、サンダルもウィンドブレーカーも軽量レインウェアも軽量トレッキングシューズもどんどん買ってください!という本音で締めたいと思います

PROFILE

通販 樋口 | Higuchi
所属は通販部ですが、お客様の生の声を聞きたくてちょくちょく売場にも立っています。無雪期はトレイルランニングと軽装備の登山、冬はゲレンデでテレマークスキーの修行中です(なかなか上達しません)。山と同じくらい温泉が好きで、山行計画はほぼ下山後の温泉を基準に立てています。

